「Four Eyes~姿なき暗殺者からの脱出~」(SCRAP)

 謎解き推理小説です。元ヤクザの探偵と連続殺人鬼との対決を軸に、7つの謎が含まれる9章から成り立っています。最初の2章はプロローグ的なもので、残り7章に1つずつ謎があります。この謎は、例えばクロスワードパズルを解いて指定の文字を並べ替えると真犯人の名前が出てくる、と言ったものではありません。ちゃんとストーリーに沿った謎です。ストーリーがあり、謎の部分があり、その後ろにヒントとなるイラストがあり、解答編があるという流れで物語が進みます。

 謎は、常識的に考えると得られる偽解答と、常識に囚われずに考えると得られる真の解答とがあり、このあたりが帯にある「謎を解くと物語がひっくりかえる」という部分なのでしょう。私はあまり常識に囚われない方なので、偽解答の方を出すことがあまりありませんでした。とはいえ、ヒントを見ないと分からないものもあり、さすがに文章だけでこの解答を得るのは、常識どころか人間性を放棄しないとなぁとか思ったのでした。

 物語を読んでいて引っかかった個所も、最終的にはなるほどと納得できるものであり、設定が破綻している事がありませんでした。そういう意味では、なかなか面白かったです。謎は結構簡単目でしたが。