「諸兵科連合の歴史」(ジョナサン・M・ハウス)

 第一次大戦から2000年までの諸兵科連合に関する軍事思想やドクトリンの変遷について書かれた本です。大事なのは2000年に著述されたという事で、同時多発テロ以降の第二次湾岸戦争や非対象戦については書かれていません。

 主に西洋の歴史について書かれていて、日本については全く触れら手ておらず、中国も第二次単戦後について簡単に触れられている程度です。一方、ヨーロッパは、米英ソだけではなく、ドイツ、フランスも結構書かれています。まあ、第一次、第二次大戦については、それぞれが主要国ですが。

 諸兵科連合というと陸軍のみのような感じがしますが、空軍と陸軍との関係についても書かれています。これを読むと、中央集権化した空軍と、低階層への委任に走った陸軍との思想の違いがよく分かります。空軍の最初の任務は航空優勢であることは空陸どちらも異論がないようですが、その後の空軍の使用について、空軍は戦略爆撃や航空阻止、陸軍は対地支援と、軍事思想というだけではなく組織編成も影響したんじゃないかな。

 この本の中では、具体的な戦例を挙げて説明があり、分かりやすいです。そして、軍事思想やドクトリンが、一方向に発展したわけではなく、迷走し、過去のドクトリンに戻ったりして、必ずしもより良い方向に進んでいるわけではなく、幾度も失敗していることがよく分かります。うーん。人生、最後まで勉強が必要なのですね。

 最後に略語をまとめてあるので、途中で何を意味しているのか分からなくなる事がありませんでした。とても親切。