「悪役令嬢の中の人」(白梅ナズナ、まきぶろ、紫真衣)

 悪役令嬢への転生モノは沢山有れど、大体が転生者目線です。しかし、このマンガは違います。

 ゲームの悪役令嬢の幼少期に転生したエミは、幸せになろうと努力します。が、転生者のヒロインが登場した後、ついには婚約者の王子から婚約破棄と追放されてしまいます。その直後、転生時に体から弾き飛ばされた元悪役令嬢が肉体に戻り、自分を陥れたヒロインや王子たち攻略対象などに復讐を誓います。

 私、復讐モノって好きなんですよね。とはいえ、隣の大国の王に泣きついて大軍勢を催し、蹂躙するといった脳筋なものはノーサンキュー。巌窟王もそうだけれど、大体が復讐する人って徒手空拳から始め、知恵を絞って復讐を完遂します。この「知恵を絞って」というところが良いのです。このマンガでも、辺境の誰もいないような村に追放された悪役令嬢が、段々と地歩を固めていくところがいいです。

 現在第4巻まで発売されていて、まだ直接的な復讐には手を染めていませんが、だいぶ地歩が固まってきました。次の巻ではちょっと小気味いい展開が見られそうです。