「アレクサンドロス大王の歴史」(ディオドロス、森谷公俊訳・註)

 「本邦初訳!」というので購入し、少しずつ読んできました。遂に読み終わりました。ディオドロスの「歴史」は全40章。神話時代からカエサルまでの歴史・地誌が書かれています。ただしかなり散逸しています。アレクサンドロス大王の部分も散逸がありますが、多くは残っています。

 森谷氏は安彦マンガの「アレクサンドロス」でも監修しているように、アレクサンドロス大王の研究の第一人者です。現地踏査もしているらしい。羨ましい。で、この本では、ディオドロスの記述よりも註釈が1.5倍ぐらいあり、内容も最新の研究成果や他の歴史書との比較など、とても濃いです。この本、はっきり言って素晴らしい。散逸した部分はどこかから出てこないものでしょうか。それに註釈がつけられたものも読んでみたい。なにしろ黒のクレイトスの刺殺事件は無かったりするのですから、ちょっと勿体ない。またフィリッポス2世の時代やディアドコイの時代の物も読んでみたいです。