「7 DAYS TO END WITH YOU」(ニンテンドーSwitch)

 異世界転生モノが随分流行っているようで、結構な数のマンガを見かけます。私も好きで読んでいます。辛いことの多いこのご時世で、何のしがらみもない異世界に行ってオレ強ぇぇぇっ!をしたい人が多いのかもしれません。とはいえ、大体が若くなったり男前になったりと、チートの一部とはいえ、ちょっとなぁと思ったりすることもあります。その点、異世界は美男美女ばかりで主人公がオークと間違われる「異世界おじさん」や、現世と同じキモブタに全裸で転生した「股間無双」なんかは、評価が高いです。

 さて、そんな異世界物で不満な点は、大体転生した後でも言語が通じることです。まあ、設定の中でその辺をちゃんと描いているマンガもあります。曰く、しがらみのない異世界語(日本語)が人間・魔族間の世界共通言語としてよかったとか、初心者安心パックの一部とか、転生ボーナススキルとか。モノによっては、最初はわからないが体内にあるナノマシンが覚えたとか、中の人などいないロボットが覚えたとか。

 ただ、私は時折妄想します。もし、言語が通じない異世界に転生したらどうするか。身振り手振りでコミュニケーションを取ろうとするだろうな、と。

 「7 DAYS TO END WITH YOU」(ニンテンドーSwitch)というゲームがあります。これ、まさに上記の様なゲームです。ただし、ボディランゲージはありません。テキストウィンドウに表示される、文字と言うか図形と言うか、それらを推測してコミュニケーションを取るゲームです。その文字と推測した言葉をリンクさせていきます。そうすると、文字の上に日本語が表示されますが、コミュニケーションをとっていくと齟齬が生まれます。それは推測が間違っているという事で、修正していくのです。で、これは7日間でゲームエンドです。言葉のリストは引き継がれますので、何度もプレイして精度を上げていきます。

 試しにプレイしてみました。

 主人公は、記憶をなくして目が覚めます。ベッドの傍らに女の子がいます。で、話しかけてきてコミュニケーション開始です。

 ・・・全然わからん。いや、言葉じゃなく操作が。常にマウスカーソルが表示されていますが、それで指したモノなのか自動で会話が進んでいるのかがわからなかった。そのうち女の子は部屋から出て行ってしまいました。その間に言葉リストに結構な数の単語が溜まっていました。手始めに部屋の中にあるいくつかの本を指して単語を観ます。共通する単語が「本」じゃないかと推測します。緑色のものを観ます。共通する単語が「緑」じゃないかと推測します。そんな感じで、いくつかリストを埋めました。

 いろいろいじって部屋を出て、他の部屋を見ると、どうも女の子は植物の研究をしているようです。「花」という単語を推測しました。ただ、表示された本のタイトルとか全然わかりません。表紙の絵で見ると錬金術っぽいものですが・・・。奥の部屋に行くと女の子がいました。ボディランゲージができないのがえらく大変です。で、手あたり次第カーソルで指していくと、女の子が絵と文字を書いてくれました。いくつかの単語が推測できました。女の子は文字を教えてくれるようで、最初の部屋に戻ります。いろんなものをタッチして推測していきます。

 ベッドをタッチしました。女の子は何かえらくたくさんしゃべっています。そして「肯定する」、「否定する」という選択肢が出ました。私は標準的な日本人なので、訳が分からなくても曖昧なジャパニーズスマイルで頷きました。あれです。英語がわからなくても「おー、いえす、いえす」とか言う奴です。

 いきなり一日が終わりました。どうも女の子はもう寝るかと聞いていたようです。貴重な一日が過ぎてしまいました。うん、言葉が通じないって大変です。