「緯度を測った男たち」(ニコラス・クレーン)

 今日の午後から右の肘に痛みが出ました。なのに、夕方FB北斗の拳をプレイ。悪化した。FB北斗のボディストレートは、片方の腕だけでひたすらパンチを繰り出すというものです。辛い。

 俺の右手がうずく!

 

 表題の本を、それこそこの男たちと同じように少しずつ読み進めていました。ようやく終わった。

 内容は、1700年代半ばのおフランスのおルイお15世の御代。当時、地球が楕円だという事はわかっていましたが、縦長か横長かで喧々囂々の議論がされていました。そして、じゃあ、実際に測りに行けばいいんじゃないの、という事で、赤道の緯度の距離を測りに行ったのです。場所は南米ペルー。地図(googleマップとか)を見るとわかりますが、当時、赤道まで行ける近場がここだけなのでした。アフリカは暗黒大陸。インド洋は論外。

 さて、行くことになったのはフランスから3名のアカデミー会員と、スペイン(当時ペルーはスペイン領)の海軍士官。それと、地図製作技師、製図工兼画家、医者、時計職人などなど。10代から30代の人々です。

 そして、フランスの3人が曲者で、1人は傲慢で人当たりが悪い、1人は好奇心旺盛で脱線しまくり、1人はそもそも行きたくなかった。案の定、現地に着くまでにバラバラになったりします。それでもなんとか合流して、結局10年かけて測量を行ったのでした。多分、みんなが協力したら3年ぐらいで終わったんじゃ。

 しかも、現地は治安が悪かったり、天候が悪かったりで散々な目に会っています。とはいえ、天気が悪くて測量できない時に、薬の原料の植物を探しに行ったり、インカの遺跡の測量を行ったり、音速の実験を行ったりなど、結構いろんな学術的成果を上げています。

 これを見て思ったのは、欧米の科学者っていろんなことをやるけど、日本の科学者は1分野どころか1テーマばかりやっているな、と。まあ、そうではない人もいますが。欧米の科学者は結構いろんな分野の博士号を持っていたりします。このあたり、日本人は職人気質なのか、あまり広い分野を専門にする人を排除する仕組みができているのか。個人的には良い事だとは思いませんがね。

 さて、この本、測量を知らなくても、ドタバタ旅行記として読めます。面白いです。