「薔薇王の葬列」を読み終えました

 なるほど、最後は少年少女マンガらしい終わり方でしたね。

 特によかったのはボスワース前夜の話です。シェイクスピアの原作ではリチャードを呪いヘンリー・チューダーを祝福する亡霊が出てきます。リチャードに苦しめられ、貶められ、殺された人々です。リチャードには「絶望して死ね!」と叫ぶのです。最後の参考資料を見たら前に書いた「冬の王」もありました。なるほど、そうしたのですねという感じでした。エリザベス(娘の方)は結構賢かったんじゃないかなと「冬の王」を読んで思っていたのです。多分ヘンリー七世がおかしくなったのも、エリザベスが死んでからじゃないかな。まあ、アーサー王子が死んでからかもしれませんが。そんな未来がボスワース前夜の話に重なって見えたのでした。

 それにしても「薔薇王の葬列」を読んでからシェイクスピアの方を読んだ人は、相当混乱するのではないかと思います。私は「薔薇王の葬列」は大好きですが。

 外伝も描いているようです。確かにやりっぱなしになった人がいますね。エドワード王子の事とかマーガレット・オブ・アンジューのその後とか結構気になる所です。史実だと失意のうちにボスワースの前に死んだようですが。いずれコミックスになるでしょう。楽しみです。