「歴史」と「食」のマンガといえば『戦争めし』(魚乃目三太)とかありますが、『最後のレストラン』(藤栄道彦)は歴史上の人物に焦点を当てたマンガです。
現代日本のレストラン「ヘブンズドア」のオーナーシェフ園場凌(そのばしのぐ)が主人公です。この主人公、料理の腕はいいのですが、性格が後ろ向きで、いつも世の中の不平を漏らしています。バイトのウェートレスにダメ人間認定されています。
このレストランに、今際の偉人たちが何故かやってきます。そして、その偉人たちの様々な注文に対し、主人公が当意即妙な料理を出すという、一話完結(ではない場合もありますが)のストーリーです。例えば第一話は織田信長で、注文は「どこの誰も食べたことがない空前絶後の料理」です。主人公はどういう料理を作るのか。ここに様々な思想が入ります。
各話の最後に、1ページで登場した偉人の紹介が、作者の主観で書かれています。これも面白いです。また、肖像画がない偉人などは作者の主観で造形されています。例えば徳川家康は津川雅彦とか、アレクサンドロスはファーストガンダムのスレッガーさんとか。結構ぎりぎりの時事ネタも入っています。安倍晋三にすごく似ている子供会会長と、習近平にすごくよく似ているPTA会長が子供の運動会をめぐって対立するとか。
現在18巻まで出ていて、この春19巻が出る予定です。話としてはまだまだ続きそうです。