タワーディフェンスとウォーゲーム

 世には「タワーディフェンス(塔の防御)」というビデオゲームのジャンルがあります。一般的なのは、横から見た感じの画面の左右に塔が1つずつあって、片方の塔から魔物とかが湧いて出てきて、プレイヤーはキャラを配置してもう一方の塔を守ります。配置したキャラは湧き出る魔物に体力を削られて消えていきますが、その間にも魔物を倒しています。魔物が押し切るのが早いか、プレイヤーが配置するキャラが魔物を倒し切るのが早いか。キャラを配置できなくなって自分の塔が占領されたら負けです。逆に魔物を倒し切って敵の塔を占拠できれば勝ちです。

 上記の話は1次元(ライン)のゲームですが、2次元(平面)のゲームもあります。中央に守るべき塔があって、周囲から魔物が湧いてきます。プレイヤーはキャラを操作して中央の塔に魔物を近づけないように、塔の周りをぐるぐる移動しつつ魔物を倒します。一定数の魔物を倒せればプレイヤーの勝ちです。

 上記の2次元の方は平面全体を使いますが、これを中央から放射状に延びる複数のライン(1次元)としたものがウォーゲームにいくつかあります。大体がソロプレイゲームです。太平洋戦争の日本となって連合軍のいくつかの進撃ルートを守るもの。信長となって京都を守るもの。未見ですがスターリングラードを守る第6軍と周囲から攻めるソ連軍、そして解囲しようとするドイツ軍なんてものもあるかもしれませんし、バルジ戦でバストーニュ攻囲/解囲なんかもゲーム化できそうです。それに城攻めなんかもゲームにできるかもしれませんが、日本の山城は大手口と搦手口の進撃路が2つぐらいになりそうなので、なんかギミックが必要でしょう。

 で、なぜこんな話題を書いているかと言うと、前に書いた「ベダ・フォム」がタワーディフェンスだなと思ったからです。タワーディフェンスは、なにも中央(塔とか城とか京とか)1点が目的地である必要がない事に気が付きました。タワーディフェンスとは、ようは「モグラ叩き」なのです。「ベダ・フォム」ではマップ南端から突破しようとするイタリア軍をイギリス軍が叩いて潰します。道路が3本なので、そこを中心に叩きます。この辺りは普通のタワーディフェンスと同じですが、輸送段列と砲兵以外は道を逸れて移動できますので、そっちも叩きにいかないといけません。単に道路(ライン)上でのモグラ叩きではないわけです。その辺がタワーディフェンスとは異なる所です。それでも本質はモグラ叩き=タワーディフェンス

 そう考えたら、無理にライン上に乗せなくても、信長包囲網とかをゲームとして成立させられそうな気がしたのでした。どうしてもライン上の敵に対処していると、作業をさせられている感があって馴染めないんですよね。