マスコミの悪意

 ニュースを見ていたら、沖縄戦語り部安里さんが亡くなって1年とのことでした。99歳でお亡くなりになりましたが、98歳まで活動していたとのことで、すごい人だなあと思ったのでした。さらに、牛島司令官のお孫さんが、安里さんの遺志をついて語り部になっているとか。こちらもすごいなあと思いました。

 安里さんが話していたといわれている中で、軍民が一緒に洞窟に隠れているときに、兵士に「子供を泣かすな。泣けば殺す。」といわれてショックを受けたという話が出てきました。「軍隊は、民間人を守らないのだ」と。これを聞いて、なんか違うなと思ったのです。

 隠れているわけですから、子供が泣いて見つかることは避けなければなりません。これは、別に軍隊が自分が生き残るためだけではなく、他の民間人の生死にもかかわることです。軍人として、それを避けるために、涙を呑んで泣く子を殺さなければならなかったのではないでしょうか。まあ、自分が助かりたいためかもしれませんが。

 しかし、マスコミの論調では、「軍隊は民間人を守らない。だから軍隊は・・・」となるわけで、これは、マスコミが自分の都合がいいように、証言者の言葉を視聴者にミスリードさせる手法です。こういったマスコミの悪意が、私は大嫌いです。マスコミこそが国を亡ぼす元であるというマスコミ亡国論を掲げる所以です。まあ、それほど大げさなものではありませんが。

 視聴者がみな頭がよくて、こういったマスコミの悪意を看破できればいいのですが、そうはいきません。こういったことから、軍隊が悪いといった主張をするようになるのは、気の毒というか、あほというか。

 このマスコミの悪意は、視聴者に対してだけではなく、証言者に対しても不誠実です。何とかならないものですかねぇ。