むさのよ(武者の世)

 愚管抄では、「むさのよ(武者の世)」という言葉が出てきて、武家政権になったことを嘆いています。その契機となったのが、保元の乱としています。それは、前回書いた3つの戦い「将門の乱」、「刀伊の入寇」、「前九年の役」が地方での戦いであるのに対し、保元の乱は都での戦いであり、かつ王臣内部での争いであったためです。

 大河『平清盛』の第4回で清盛の父忠盛が「王家の犬で終わりたくない」と言い「王家に対し、武家が十分に力をつける」ということを目標にしていたとすれば、保元の乱はまさにその証明だったことでしょう。続く平治の乱から治承・寿永の乱は「その後で源氏と平氏の決着をつける」という、まさに忠盛が話した内容そのままでした。まあ、ドラマですから既に歴史がどう動いたか知った上でのセリフですが。

 そういう意味でも『平清盛』は面白い時代を描いていると思います。将門の乱は『風と雲と虹と』で、前九年の役は『炎立つ』で描いているので、刀伊の入寇も大河になりませんかね。ならないか・・・。道長と中関白家との争いを軸にしたら、なんか行けそうな気がしますが。対外緊張も高まっていますしね。

 まあ、取り合えず、「むさのよ」を決定づけた承久の乱ですかね。来年の大河で描ききれるか?