『BLITZKRIEG』というゲームなら、なんかどこにでもありそうですが、今回のはPSGの『Paolo Moriさんが作ったBRITZKRIEG!』です。PSGという会社は、私もよく知りませんが、イタリアの会社のようです。Paoloさんはウォーゲームよりもボードゲームよりの方ですが、それでもウォーゲームに関心があり、常々簡単に第二次世界大戦全体を再現できないかと考えていたそうです。今回は、その考えが結実したものになりました。
下がマップボードです。
なんか、地雷犬がここ掘れワンワンしている気がします。
この5つのエリアは戦域になります。また、左上には第二次大戦全体の勝利ポイントトラックがあります。最終勝利はこの勝利ポイントで争われます。25の所が赤いですが、ここが終了ポイントになり双方25ポイント持っていると連合軍の勝利になります。
さて、下がユニットです。このユニットを各戦域の大きな四角いボックス(戦闘スペース)に配置していきます。
少し地雷臭が減りましたか?微妙ですか?
各トークンの左上に書かれている数値がその戦域での勝利ポイント(戦争全体ではありません)に関係してきます。
ユニットトークンは連合軍、枢軸軍で分かれており、これを素敵なバッグに全具入れて無作為に取り出して、相手から見られないように素敵な衝立の裏に隠しておきます。
最初は3つのユニットトークンを素敵バッグから引いて手元に隠しておきます。
次にこれらのトークンを枢軸軍から交互に戦闘スペースに配置します。
各戦域は複数のキャンペーンと呼ばれる行に分かれており、上のキャンペーンが終わらないと下のキャンペーンに配置できません。
上記の例では、最初に東ヨーロッパ戦域で枢軸軍(多分ドイツ軍)が陸軍を置きました。ちなみに各戦闘スペースの色はどのユニットトークンを置けるか示しており、茶色は陸軍か空軍、水色は海軍か空軍、両方ある場合はどれでも置けます。
さて、ドイツ軍が陸軍1ユニットを置きましたので(多分ポーランド戦)、上の細長いマス群(その戦域の勝利ポイントトラック)の赤いキューブをドイツ側に1動かします。次に連合軍ですが、次の戦闘スペースに置くとおける戦闘スペースがなくなる、つまりキャンペーンが終了します。キャンペーンが終了したときにその戦域の勝利ポイントが多い側が一番右の盾マークの数字(この場合2)を大戦全体の勝利ポイントとしてもらえます。ちなみにタイの場合(勝利ポイントキューブが赤のマスにある場合)は両方の側がもらえます。
連合軍のターンですが、陸軍の2を置くか1を置くか決める必要があります。ちなみに手元にある場合のみです。無いと置けません。1を置くと勝利ポイントがタイで両方が2大戦勝利ポイントを貰えますが、2を置けば独占できます。
手元にあるユニットトークンと相談しながら決める必要があります。ただし、手元に海軍ユニットトークンしかない場合はここに置けません。みすみすドイツ軍に置かれることになるでしょう。つまりポーランド戦はドイツ軍の勝利(東ヨーロッパに連合軍は海軍しかもっていなかったため)。史実に即するとこんな感じでしょうか。
東ヨーロッパ2つ目のキャンペーンはギリシャ?ですかね?最後に海軍があるし。3つ目は独ソ戦でしょう。長いし。
こんな風に各戦域で戦うのですが、これ、つまり、このマップは「空間」を表すマップではなく「時間」を表すマップなのです。そのことがわかると味わい深くなります。地雷臭と言ってごめんなさい。それでも、太平洋戦域のように海軍主体(空軍も可能)の戦闘スペースになっていたりとか、ちゃんと「空間」も意識されています。
ところで、各戦闘スペースに書かれている絵ですが、これはそこにユニットトークンを置いた側が絶対実行しないといけないスペース効果です。基本的には置いた側が有利な効果になります。手元に置くユニットトークンを増やしたり、前述の特殊兵器トークンを引いてきたり、相手のトークンを減らしたりします。
このゲームはソロプレイルールがあります。別途ソロプレイ用のトークンがあり、これを引いて相手方の行動を制御します。ちなみにPLAYING SOLO WITH THE NIPPON EXPANSIONと言って太平洋戦域のみのルールもあります。Paoloさん、日本が好きなんでしょうか。
少しやってみると結構簡単で早く終わります(20分で終わると書いてある)。それでも相手の手を読みあい、どのキャンペーンを片付けていくか考えることもありますので、楽しいゲームです。ミニミニ世界大戦なども流行っているので、このゲームももっと広まればいいのにと思いますが、多分箱絵で損している。