Combat Commander(というよりGreat War Commander)は、戦術級のウォーゲームです。そのシステムとして特徴的なのは、カードドリブンであることです。特に、ダイスを振らず、カードを引いてそこに描かれたダイスの目を使用して判定を行います。この点が、今回の話題です。
私はCCを所有していないため、GWCのルールに沿って話を進めますので、CCと異なっている部分があるかもしれません。ご容赦ください。
カードは72枚あり、それぞれに2Dの絵が描かれています。ダイスは色分けされています。そして、72枚のカードに36種類のダイスなので、それぞれ2枚ずつあります。これはドイツ軍、アメリカ軍、フランス軍、イギリス軍全て同じです。最初はダイスの目に偏りがあって、それぞれの軍を特徴づけているのかと思いましたが違いました。
ちなみに、それぞれの軍の特徴は、カードに書かれているアクションやイベントの枚数の違いで表されています。
さて、コマンドマガジン157号で堀場氏がこのCCシステムについて称賛していましたが、私は異なる意見を持っています。なお、別に堀場氏の記事を批判する目的はありませんので、誤解無きようお願いします。
このシステムでは、どの軍で誰がプレイしてもダイスの目を出す確率は同じです。例えば、6ゾロ魔人のような人の介入する余地はありません。とても公平なシステムです。少なくとも、出目の悪さを敗北の原因にすることはできません。
しかし、このシステムではカウンティングすることで(自分や相手の捨て札を見ることは可能です)、ダイスの目を推定できます。
例えば、大きなダイスの目が出てしまっていて(このゲームでは大きい目の方が優位)射撃しても効果がないとわかった場合、敵が目の前の開豁地をのこのこ歩いていても射撃する意味がありません。ただし、トリガーというシステムがあるので必ずしもカードをめくる意味がないわけではありません。例えば10以上でないと効果がないとわかった場合、プレイ開始後一番最初の射撃では確率は17%ですが、66のカード以外のカードを使い切っていた場合は3%です(66が出る確率)。つまり、個別の射撃での成功確率が異なっているということです。
私は、個別の射撃の確率は、「物理的に」等しいはずだと思います。同じ人が同じ銃で撃てば、ほぼ同じ命中率になると思います。もちろん、細かく言えば、銃の耐久性が落ちたり、射撃する人の心理状況が変わったりもしますが、ウォーゲームでそこまでシミュレートしているものはないでしょう。
このように、このシステムは問題があります。ただし、解決方法はあります。要するに実際にダイスを振ればいいのです。トリガーというシステムがあるのでカードはめくりますし、そこで発生したトリガーの処理は行いますが、ダイス自体は物理的に振り、その結果を適用します。これなら上記のような問題は回避できます。6ゾロ魔人?いいではないですか。戦場では運のよい指揮官って居るものですから。
私はCCを持っていませんので、デザイナーがどのような考えでこんなシステムにしたかわかりません(GWCのデザイナーズノートでは特に触れられてません)。CCは人気があり、追加キットも数多く出ていますので、このシステムは受け入れられているのでしょう。ですが、プレイされている方が、「個別の射撃の確率が変わる」点について、どのように考えておられるのかは不明です。案外、あまり考えていないのかもしれません。私の考え過ぎでしょうか。
あともう一つ気になる点がありました。御多分に漏れず、このゲームにも指揮値というものがあります。で、この指揮値は射程を伸ばすことができます。『えぇ!指揮よろしきを得たら「物理的」な射程が伸びるのぉ?』有効射程ということも考えましたが、それなら命中率に適用すればいいじゃんと思い至りました。
ちなみに、GWCを購入したのは、第一次大戦の戦術級があまりないためです。結構期待していたのですが、このシステム的欠陥のため、少しモチベーションが下がりました。でも追加キットの「BEF」は買っちゃいましたが。
「In the Trench」もやってみたのですが、これは戦術級よりもう少し大きい規模ですし、戦闘解決が何か変でした。なんか、射撃力を3で割った数値で結果を決めるんですよね。いろいろ理屈がデザイナーズノートに書いてありましたが、それなら最初から1/3の射撃力を書いておけば、と思いました。少しやっただけで、やめてしまいました。これも結構の数のエキスパンションが出ています。
できればASLで出してほしいものですが、だれか作りませんかね。