『つくってわかる はじめてゲームプログラミング』Nintendo Switchが来ましたよ

 最近の小学生は、プログラミングの授業があるそうですね。私は大賛成です。もっと早くに授業に取り入れればよかったのにとも思います。

 昔からPSのゲームではロボットの動きをプログラミングするようなものがありました。たしか。こういったものは好きな人は好きなんですが、ダメな人はだめなようです。ボードゲームでもありますよね。

 さて、私がプログラミングの授業があるのがよいと思う理由はいくつかあります。一般的に言われている「理論的な考え方ができる」というだけではありません。私の経験から「人柄が謙虚になること」であることが大きいと思っています。

 昔からよく言われるようにパソコンは馬鹿なので教えた通りにしか(プログラムした通りにしか)動きません。なので、プログラミングしたものが自分の思い通りに動かないなら、99%自分が悪い。たとえ地団駄踏んだりパソコンをにらみつけてもダメです。動きません。残り1%はどうしても、プログラム言語とマシンの相性などがあります。これは私の経験です。

 プログラムを正常に自分が思ったように動かすためには、自分の間違いに気が付かないといけません。このためには、なぜ動かないのか、どこで動かなくなっているのか、何が悪いのか、自分の間違いを謙虚に受け止め修正する必要があります

 世の中には、自分が絶対正しいと思い込み、現実が自分の思いと違っていても、現実が間違っていると、本気で考える人がいます。そんな、歴史上でもよくいる人にはなりたくありません。プログラミングは、現実(思ったように動かない)を受け入れたうえで、自分の間違いを見つけなければならないのです。そうしないと、ちゃんとしたプログラムは作れません。

 また、1%の相性が問題だったと最終的に結論付けられても(その前にすべての問題点を考え検証することが重要)、動くプログラムを作らないといけないので、その回避方法を考える必要があります。

 例えばこうです。

 1+1=1.9999・・・という結果が出る問題に対して(これは例を単純化したものですので実際に起こることではありません)、正しい答えを得るために(10+10)/10=2として1+1問題を回避するのです。いわゆる「間接アプローチ」です。

 プログラミングをすると、こういった「間接アプローチを考えつく習慣」ができます。これはボードゲームの対戦にも役立ちます。

 私は、プログラミングを行う仕事から、「自分を疑う」ことを身に着けました。また、ある物事を真正面からだけではなく、側面からも、後ろからも、上からも下からも見る、見るだけではなく、触る、なめるといった「様々なアプローチを試みる」ことも身に着けました。プログラムが動かない原因を突き止めるためには必要なことだったのです。

 私は大学の時に半年フォートランを、卒業論文でN88ベーシックを、会社に入ってC言語の講習を1週間受けただけで独学だったので、ちゃんとした教育は受けてませんが、それでもプログラムを作っていく上でこれらの技能を身に着けることができました。今の子供たちは幸せだと思います。

 さて、そんなわけで実はプログラミング言語に対して興味があります。そこで、Nintendo Switchが『ナビつき!つくってわかる はじめてゲームプログラミング』を出すということで、予約してしまいました。他にもやることがあるというのに・・・。

 少し触って、結構面白いです。難しい文法なんかいりません。直感でやることがよくわかります。

 7つのゲームを実際に作りながら、ゲームプログラミングを習います。ゲームは、2人用の鬼ごっこ、ルート上に合わせてボールを転がす、横スクロールシューティング、横スクロールアクション(マリオみたいなもの)、密室謎解き、レース、3Dアクションです。これだけでも作れば結構遊べるかもしれません。

 動作をノードンとしてまとめ、それらを繋げることでアクションにつなげます。ノードンは「入力」、「中間」、「出力」、「モノ」に大分類され、これらの中から、ボタンを押すとか、インターバルを与えるとか、リトライするとか、人を動かすとか選んで画面に配置します。どうしても、アクション系に偏るのは仕方がないことでしょうか。

 この手のソフトはあまり売れ行きが良くないかもしれませんが、やれば楽しいですので是非どうぞ。

 ちなみに、私は根気がないので多分自作ゲームは作らないような気がします。今までもNintendoの『プチコン』とかワンダースワンとかPIECEとか買っていますがゲームを作ったことがありません。プログラミングは仕事ならしますが、自作ゲームはどうも何かに使うという目的がないので今一乗り気ではありません。プラモデルも作るのは作りますが、それを飾ったり動かしたりジオラマにしたりとかはしないんですよね。このあたり、ゲームデザインでも同じような気がします。

ASL SK2のシナリオ14をやりました

 アドバンスド・スコードリーダー(ASL)のスターターキット(SK)のシナリオをずいぶんやってきました。ここまでの勝率ですが、攻撃側が62.5%です(シナリオ10のイタリア軍が走る奴や途中までしか結果が残っていないものを除く)。つまり、私は防御が下手。もっといろいろと考えないとだめですね。

 さて、シナリオ14です。今回はマーケット・ガーデンで、ドイツ軍の88(アハトアハト)が出てきます。ちなみに「はちはち」という方が短くて好きです。設置制限がありませんので、隣接して設置して死角を少なくします。ただ、丘の上なのでLOSが・・・。アメリカ軍が7VP突破で即終了です。マップが小さいのでほぼ強襲の形になるでしょうか。私の得意な攻め方です(何も考えていないと言える)。では、防御側についていろいろ考えてみましょうか。

 ドイツ軍に増援はありません。射程6の分隊が2つだけ、後は射程4が4分隊と射程3の半個分隊が1つ。88+操作班は2つ。マップがB~Pと15列なので、7/15(88を入れると9/15)なので、まあ守りが薄いとは言えません。1個分隊2へクス担当正面です。別に横に並べるわけではありませんが。貴重な射程6は指揮官とスタックして左側の空いている地形に置きます。後は突破へクスを守るように。7行以下に配置しなければいけませんので、マップ上部の建物には置けません。

 さて、88の配置ですが、隣接して死角をなくすのは良いとして、どこがいいでしょうかサイズは赤丸なので大サイズ、つまり建物には設置できません。あまり前進防御しても無駄に餌食になるだけでしょうから、後方へ。そして下図のようにしました。

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初期配置

 第3ターンのドイツ軍準備射撃フェイズ開始時です。全体的にアメリカ軍が押し込んでいますが、まだ少し足りない感じです。残り3ターン。アメリカ軍に隣接されているドイツ軍の分隊(7-0指揮官と8-1指揮官)は準備射撃でアメリカ軍の分隊を混乱させるか、それとも退却すべきか。悩ましい所です。ドイツ軍7-0指揮官の方はすぐ後ろに石造建物がありますが、ドイツ軍8-1指揮官の後ろは果樹園のみです。ただ、アメリカ軍9-2指揮官からはLOSが通らないのでアメリカ軍8-1指揮官からしか撃たれません。ただし、アメリカ軍8-1指揮官の下には7FP×2個分隊+4FPのMMGがあります。かなり脅威です。それに、ここで下がるとAAが露出します

 結局下図のようにしました。実線は移動フェイズ、破線は突撃フェイズの移動です。

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第3ターン ドイツ軍の移動(実線:移動フェイズ、破線:突撃フェイズ)

 アメリカ軍としては、ドイツ軍が下がってくれたので、一気に行きたいところです。特に東側の方では混乱したユニットしかいないので押せそうではあります。

 第4ターンドイツ軍準備射撃フェイズ開始時です。アメリカ軍の9-2指揮官と8-1指揮官が力押ししましたが攻め切れていません。9-2指揮官の方は分隊がKIAを食らって指揮官だけになってしまいました。一方、8-1指揮官の方は分隊が混乱しましたが、無事に回復しています。ドイツ軍がよく守ったと言えるでしょう。ただし、AAが1つ壊れています。アメリカ軍の攻勢は残り2ターンです。白兵戦を行っているドイツ軍をつぶせば走り抜けられるかもしれません。

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第4ターン ドイツ軍 準備射撃フェイズ開始時

 第5ターンのアメリカ軍準備射撃フェイズ開始時です。白兵戦の前にAAからの射撃で白兵戦中の2個分隊のうち1つが混乱し潰走しました。残りの分隊はドイツ軍に蹴散らされました。一方、回復フェイズではAAが壊されてしまいました。私はなぜか修理drで6をよく出してしまいます。破壊の歴史にまた一ページ・・・。

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第5ターン アメリカ軍 準備射撃フェイズ開始時

 3個分隊+指揮官が突破すればアメリカ軍の勝利です。まだわかりません。

 結果は第6ターンのアメリカ軍移動フェイズまでもつれ込みましたが、賽の目が走って移動中のアメリカ軍を次々とDMやPINにして突破できる分隊がいなくなりました。ドイツ軍の勝利です。

 

 最後に賽の目が走りましたが、もしこれが走らなかった場合、都合5個分隊に指揮官3人が突破していたでしょう。

 AAの配置が少しまずかった気がします。丘の上ならLOSが通りますが、丘の下になるとLOSが通らなくなります。あるいは、移動させるという手もあったかもしれません。まだ砲の移動ルールをよく把握していません。勉強が必要ですね。

 

 沼に嵌りつつある気がしますが、でもまだ大丈夫。足首までしか浸かっていない。いつでも抜けられる。

 

 

(追記)

 HIPを使うのを忘れていました。そろそろソロは限界でしょうか。

Zeroの思い出

 私はアクション系のゲームが苦手です。格闘ゲームだけではなく、マリオのような横スクロールも苦手です。初代のイースなどは、最後のボスが倒せなかったので、アクションRPGが得意な友人にやってもらいました。

 そんな私ですが、フライト・シミュレータだけは得意です。エースコンバットのようなジェット機もそうですが、やはりレシプロ機が好きですね。

 初めてやったフライト・シミュレータは零戦記』でした。ジョイスティックも買ってやりまくりました。170機ぐらい撃墜したと思います。そんな中で、記憶にあるのは次の2つです。

①着陸の時にフラップを下す

 最初は知りませんでしたので、いつも着陸は失敗していました。ある時、仕事で飛行機に乗ることがありましたので、着陸の時にどうしているのか見る機会がありました。ちょうど翼が見える席だったんですね。着陸の時にフラップを下していたので、「これかっ!」と思ったのです。

 こうして、私は着陸に失敗することが無くなりました。

B-29が超速い

 最後の方のシナリオだったかと思います。B-29の本土爆撃に対する迎撃戦でした。もう、タイトル通りです。1回会敵に失敗すると二度と近づけません。こちらは高高度で失速して高度を落としながら、その勢いで高度を上げて、・・・を繰り返して何とか高度を保っているのですが、B-29はビューンと飛んできて、飛び去って行きます。対空射撃も激しいし、撃ってもなかなか火を噴かない。これじゃ日本は負けるなと思いました。まあ、それでも1~2回ぐらいは落とした気がします。

 

 その他、『マイクロソフト・コンバット・フライト・シミュレータ』もやりました。こちらもジョイスティックを買いました。これはリアルさを売りにしていました。本当にリアルでした。最初のシナリオが、零戦に乗って別の基地からくる爆撃機(一式陸上攻撃機)と合流して敵の基地を叩きに行くというのですが、合流するまで延々と飛びます。リアルタイムで。まじか。

 会敵までスキップする機能がありましたが、そうすると爆撃機と合流せずに直接敵基地に行きます。

 マニュアルもすごかった。航空力学の本かというぐらい詳しかった。

 

 そんなわけで、飛行機が好きな私は、『Zero Leader』(DVG)が発売されたと聞いてついポチってしまいました。なんか、ソリティアのドイツ軍のUボートやタイガー戦車、アメリカ軍もシャーマン戦車(Patton's Best)や潜水艦(Silent Victory)などのゲームはあるのですが(イタリア軍すらある)、日本のものは全然ありません。せいぜいPacific Subのついでとかぐらい。まあ、日本は魅力的な潜水艦や戦車がないですからねぇ。

 なので、つい・・・。

 DVGのホームページを見ると、Bettyに乗ってOhkaを運ぶというシナリオもあるようで、松本大先生の戦場マンガシリーズ(私はザ・コクピットとは言わない)で私が最も好きな『音速雷撃隊』のシナリオができそうだなとか思ってしまいました。

 現在、和訳のための英語の転記を行っています。ルールのPDFがある場合は、それをWordに持ってきて、落ちているところを追加したり成型したりしてからグーグル先生に和訳してもらって、それを読み直して修正するという手順を使うのですが、今回はまだPDFがないものですので。転記は手が痛くなります。でも、一応読みますのでルールの概要を把握するのはできます。PDFではできないことです。

 読んでいて、KamikazeやOhkaがずいぶんと出てきて、デザイナーに何かこだわりがあるのかなと思ってしまいました。KamikazeやOhkaの搭乗員をこちらで指定するそうです。ちょっと嫌な感じがしました。

 いずれ、『Zero Leader』の紹介もするかもしれません。

ASL SK2のシナリオ13をやりました その2

 相変わらずシナリオ13です。今だ砲の配置をどうすればいいかわかっていません。そこで、困った時のMerricえもんです。

https://merricb.com/2014/03/11/asl-report-s13-priority-target/

 で、グーグル先生に翻訳してもらって読みました。

 ・・・初期配置を間違えていたらしいです。対空砲(AA)は互いに5へクス「以内」に配置しないといけませんが、下図のように東の砲は7へクス離れています。でもアドバンスド・スコードリーダー(ASL)の良いところは、「間違ってプレイし始めても、そのままやってよし」とルールに規定されているところです。あんなに沢山のルール、全て覚えてプレイできる人はそんなにいませんよね。

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Merricさんの初期配置(東のAAが配置ミス)

 そんなわけで、上図を参考にしつつ、変更を加えてみました。上図で特徴的なのはギリシア軍を分散させているところです。混乱からの回復の指揮補正は他国(イギリス・オーストラリア軍とギリシア軍)では互換性がないので、前回はギリシア軍をまとめていました。こちらは分散しています。特にギリシア軍と指揮官を一番東に追いやっています。邪魔なのかな?

 AAを麦畑に入れるのは良い面と悪い面があります。麦畑は繁茂しているので射撃にLOS妨害DRMがかかります。撃たれる場合にはいいですが、撃つ場合はAAの火力が4ですので効果が薄くなります。あまりAAに期待していないということでしょうか。しかし、AAのROFは3なので1/2の確率で連続射撃できます。これは結構お得ではないかと思います。

 いろいろ考えた末の初期配置が下図です。西と中央のAAを中心に円陣を組みました。東の砲は犠牲になるもやむを得ずと思いますが、ある程度時間が稼げればなあと思います。

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考えた末の初期配置

 そして第1ターンのギリシア軍(イギリス軍とギリシア軍の合成)の開始時です。ひどいもんだ。

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第1ターン イギリシア軍の開始時

 第2ターンのイギリシア軍準備射撃フェイズ開始時です。すでに中央のAAも破壊されています。

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第2ターン イギリシア軍 準備射撃フェイズ開始時

 第4ターンのドイツ軍開始時です。ひどい絵ズラです。

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第4ターン ドイツ軍開始時

 結局、第4ターンのドイツ軍終了時に、AAの周りにいた部隊はすべて排除されてしまいました。5へクスぐるりとドイツ軍に囲まれたAAを助ける術がなく、イギリシア軍は投了です。

 第1ターンに東側の部隊が掃討されてしまったのが敗因でしょうか。積極的にドイツ軍が攻めたのがよかったのかもしれません。攻め手には少し自信が出てきましたが、多分、このままですと実際の対戦の時にはボコボコにされるでしょう。もう少しうまく攻められるようになる必要があると思います。

 

 沼に嵌りつつある気がしますが、でもまだ大丈夫。足首までしか浸かっていない。いつでも抜けられる。

 

ASL SK2のシナリオ13をやりました その1

 さて、アドバンスド・スコードリーダー(ASL)のスターターキット(SK)#2のシナリオ13です。今回は、イギリス・オーストラリア軍とギリシャ軍の連合軍とドイツ軍の戦いです。ドイツ軍は降下猟兵エリートです。

 マップは、・・・またxかぁ。今回はどこのマップ端からもドイツ軍がやってきます。対空砲(AA)がすべてドイツ軍に占領、捕獲、破壊されると連合軍の負けですので、初期配置が重要です。とはいうものの、前回猛威を振るったMMGはありませんし、増援もありません。つらい戦いになりそうです。

 今回、ドイツ軍には爆薬(DC)が3つあります。DC3つにAA3つ、つまりDCはAAの破壊に使えと?でもDCのルールに砲の破壊はありません。よくわかりませんね。

 今回、ドイツ軍はどこから来るかわからないので下図のように配置します。7-0指揮官とスタックしているLMGをP7の建物に置くことも考えましたがそうすると東ががら空きになるので。

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初期配置

 今回は麦畑は繁茂しています。なので、前回ほど8-0指揮官の所にあるLMGは効果がありません。そもそも2FPですし。AAは白丸付きなのでくるくる回せます。そういえば、上図では射界(CA)決めるのを忘れていました。ドイツ軍の移動の後ですが、設定してしまいました。ソロはこういうあたり気兼ねなくできます。

 さて、第1ターンのドイツ軍の移動です。慎重に接近します。前回味をしめたので、南からは牽制部隊のみ出します。

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第1ターン ドイツ軍 移動フェイズ終了時ドイツ軍(赤線はAAのCA)

 ちなみに初期配置でのAAのCAは赤線の通りです。

 

 第2ターンのドイツ軍準備射撃フェイズ開始時です。奇跡的な出目で混乱しているユニットはいません。AAは4FPで、2FPのLMGしかないのでイギリス軍は少し苦しいですね。

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第2ターン ドイツ軍 準備射撃フェイズ開始時

 第3ターンのドイツ軍準備射撃フェイズ開始時です。中央のAAは既に破壊され、東のAAもドイツ軍の1個分隊+8-0指揮官に取りつかれています。

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第3ターン ドイツ軍 準備射撃フェイズ開始時

 第3ターンのアメリカ軍移動フェイズです。すでに東のAAは破壊され(DCが吹っ飛ばした)、西のAAを救援すべき分隊もDMになっています。投了です。

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第3ターン アメリカ軍 移動フェイズ (アメリカ軍の投了)

 ドイツ軍は林を利用してAAのLOSが通らないところから接近してきました。中央のAAに対しては、ほぼ強襲のような形ですが、東は北および南から接近してきています。また西のAAは投了時はまだ破壊されていませんが、こちらも林の西側からLOSが通らないところを通って来ています。

 むしろP7の建物にLMGを2つ置いて、AAはそこからLOSが通る場所に配置して援護した方がよかったでしょうか。

 いずれにしても、ドイツ軍は士気8のエリートです。なかなか混乱しませんし、しても回復してしまいます。足を止める方向で考えた方がよかったかもしれません。

 

 沼に嵌りつつある気がしますが、でもまだ大丈夫。足首までしか浸かっていない。いつでも抜けられる。

薔薇戦争が好き

 数十年昔のことですが、NHKがイギリスBBCテレビが制作したシェイクスピア劇場』というテレビドラマ風の番組がありました。これが好きでよく観ていましたが、その頃は既に歴史好きだったので、いわゆる「史劇」が好きでした。その後、確か筑摩書房だったかの『シェイクスピア全集』の史劇を読んでさらに好きになりました。この本は、脚注がそのページに書いてあってとても便利でした。

 私は脚注を本の後ろにある奴が嫌いで、このタイプの場合は脚注を読まないことがあります。

 さて、シェイクスピア史劇というと、『ジョン王』は置いておいて、『リチャード二世』から『ヘンリー八世』までがほぼ一連の時代を表しています。この時代は英仏百年戦争薔薇戦争、そしてシェイクスピアの時代に続くチューダー王朝を扱っています。特に、薔薇戦争は舞台がイギリス国内なので、そのまま劇の中でセリフだけではなく表現されています。そんなことで、薔薇戦争に興味が出たのです。しかし、当時以降、日本国内で読める(日本語で読める)薔薇戦争物の本はほどんどありませんでした。せいぜい薔薇戦争時代の甲冑のイラスト本ぐらいでした。

 しかし、近年、良質な書籍が出てきています。これをシェイクスピア史劇になぞりながら紹介します。

 その前に、薔薇戦争とはどういうものか、ですが、日本史でいうと南北朝応仁の乱を合わせたようなものです。一天二帝の南北朝と同じようにプランタジネット王朝が2つに分かれて争っています。ただし、日本の南北朝の様に王様が2人立って争ったわけではなく、王様自体は1人です。また、応仁の乱足利将軍家が継承者を争いましたが、地方豪族も継承者争いをしていました。この辺りも似ています。実際に、薔薇戦争は1455~1485年(ストークの戦いを含めると1487年)で、応仁の乱は1467~1477年ですので丸被りです。

 その魅力は、結構多彩な人物が現れたことでしょう。大本となったヘンリー六世はなんとなく足利義政を思わせます。その妻マーガレット王妃日野富子。王権に挑戦した白薔薇ロサ・ギガンティア)のヨーク公リチャードは、天下を目指すも敗死した孫堅に、その息子で軍事的天才のエドワード四世孫策に、その弟リチャード三世孫権に似ているかもしれません。その他、有名なキングメーカーウォリック伯小早川秀秋並みに裏切りを行ったスタンレー兄弟エドワード四世の外戚ウッドヴィル一族。30年の長きにわたるので、いろんな人が出ました。

 

 さて、シェイクスピア史劇に話を戻すと、最初が『リチャード二世』です。この人は百年戦争で活躍した黒太子エドワードの息子です。リチャード一世や後述のリチャード三世に比べて今一パッとしませんが、この人から王位を簒奪したのが次の『ヘンリー四世 第一部・第二部』です。リチャード二世の従兄弟でしたが、リチャード二世が大貴族に不人気であったため王位を簒奪して戴冠しました。

 『ヘンリー四世 第一部・第二部』は主人公がヘンリー四世ですが、もう一方の主人公がヘンリー四世の息子のヘンリー王子、親しみを込めてハル王子と呼ばれていました。この人は、物語でよくある、「若いころは放蕩息子だが、戴冠すると立派な王様になる」パターンです。いわゆる鬼平犯科帳長谷川平蔵です。のちにヘンリー五世となるハル王子はイギリスでは屈指の人気を誇ります。また、チューダー朝の時代に生きたシェイクスピアは「チューダー万歳」なので、少しチューダー朝に関係するヘンリー五世を持ち上げるのに躊躇はなかったでしょう。

 ヘンリー四世は、生涯簒奪者の汚名に苦しみましたが、次の『ヘンリー五世』はフランスとの戦争において赫々たる武勲を上げ、自らの王位の正当性を証明しました。あの、アジンコート(アザンクール)の戦いで勝利したのはこのヘンリー五世です。勝利後、ヘンリー五世はフランス王女と結婚し、イギリス・フランス両方の王位継承権を得ました。このままいけば、イギリスとフランスは同じ国になっていたことでしょう。このヘンリー五世については『ヘンリー五世』(石原孝哉、明石書店が面白いです。

 ちなみに、イギリス王家は元々フランス人が征服して建てましたので(ノルマンディ公ウィリアム征服王)、当時公式文書は全てフランス語でした。ヘンリー五世以降、徐々に英語が公用語になっていきます。

 さて、しかし、ヘンリー五世は若くして亡くなり、次の『ヘンリー六世 第一部・第二部・第三部』はわずか1歳で王位を継承します。まあ、1歳では統治は無理なので摂政が立ちとりあえず成人までは無事に過ごしていますが、この間フランスではジャンヌ・ダルクなどの活躍で、イギリス領が失陥していきます。

 ヘンリー六世は穏健で信心深い王様だったようです。もし、平時に統治していたら「善良王」とでも贈り名されたでしょう。しかし、戦乱の時代でした。成人し親政を始めましたが、フランス失陥の知らせに心神喪失します。ヘンリー六世が政治を見れなくなったので、寵臣サマセット伯王族ヨーク公リチャードが政治を見ます。が、よくある王族と寵臣の対立がおこります。マーガレット王妃はサマセット伯に付いて、ヨーク公を失脚させようとしました。これにヨーク公が反抗したのが薔薇戦争の始まりです。ヘンリー六世・マーガレット王妃・サマセット伯の紅薔薇ロサ・キネンシスヨーク公白薔薇ロサ・ギガンティアの戦いです。黄薔薇ロサ・フェティダ)はいませんが、ゲーム『Crown of Roses』(GMT)ですと、黄色はバッキンガム公です。ちなみに青はウォリック伯です

 ロサ・ギガンティアヨーク公ウェイクフィールドの戦いで敗死します。ゲーム『Blood & Roses』(GMT)では、C3iマガジンで追加シナリオとして収録されています。

 その息子が3人いて、長男(ロサ・ギガンティア・アン・ブトゥン)マーチ伯エドワードは若いながらも武勇に優れ、ヘンリー六世の息子(ロサ・キネンシス・アン・ブトゥン)のエドワード王子(こっちも)をチュークスベリーの戦いで敗死させました。これにより、手中に収めていたヘンリー六世の利用価値がなくなり、ロンドン塔で暗殺されます。つまり、先にヘンリー六世を殺すと、ロサ・キネンシス・アン・ブトゥンのエドワード王子が戴冠して王を名乗り、厄介になるからです。ちょっと悪辣です。

 ロサ・ギガンティア・アン・ブトゥンのエドワードは、エドワード四世』を名乗ります。ちなみにシェイクスピアではこの『エドワード四世』はありませんが、近年それらしいものが見つかったとのことです。

 エドワード四世は、性格が陽気でハンサムだったらしいです。未婚だったのでキングメーカーのウォリック伯が各国の王女を嫁にもらおうと奔走していました。しかし、秘密裏に未亡人と結婚してしましました。顔をつぶされ起こったウォリック伯は、エドワード四世の弟のクラレンス公を担ぎ上げて反乱を起こしますが、結局敗死。クラレンス公も処刑されます。もう一人の弟(ロサ・ギガンティア・アン・ブトゥン・プチ・スール)のグロスター公リチャードエドワード四世に忠実で人柄も実直だったため、エドワード四世の死の際に幼い息子の摂政になるように依頼されました。しかし、この時、外戚ウッドヴィル一族エドワード四世と結婚した未亡人エリザベス王妃の一族)が幅を利かせグロスター公を蔑ろにします。そこで、グロスター公が立ち上がりこの一族を追放しました。次いで『リチャード三世』として戴冠します。なんか、律義者と言われていたはずなのに主君の息子を攻め殺した徳川家康のような気がします。

 このリチャード三世は、シェイクスピアの中ではボロクソに書かれています。「チューダー万歳」のシェイクスピアは、リチャード三世を倒してチューダー朝を開いたヘンリー七世を賛辞するために、薔薇戦争のすべての原因をリチャード三世の陰謀に押し付けたのです。ちなみにヘンリー七世はエドワード四世の娘を嫁にしていますので、エドワード四世やその父親のヨーク公を悪者にできませんでした。このため、イギリスではリチャード三世は長い間不人気でした。近年、リチャード三世の評価が覆ってきています。リチャード三世好きが集まったリチャードスキー協会(そんな名前ではありませんが)が立ち上がって活動をしています。ちなみにゲーム『Blood & Roses』のデザイナーのリチャード・バーグ氏はリチャード三世好きをルールの中で表明しています。リチャード三世について日本で読みやすい評論は『悪王リチャード三世の素顔』(石原孝哉著、丸善出版があります。

 さて、ボスワースの戦いでリチャード三世を倒し、白薔薇紅薔薇を統一したヘンリー七世ですが、シェイクスピアの史劇にはありません。あまりにひどすぎてシェイクスピアと言えどもいい人に書けなかったのでしょう。手に入れやすい本では『冬の王』(トマス・ベン著、陶山昇平訳、彩流社が面白いです。帯に「闇の君主と呼ばれた男」と書かれています。イギリスから追われ逃亡の日々が長かったためか、あるいは出自が王位継承者として怪しかったからか、あまり人を信じない国王でした。しかしながら、大貴族が力を持っていた中世的な支配体制から中央集権のより近代的な支配体制に移行させた点では評価できます。この王様、大貴族の力をそぐのに武力は使いませんでした。小さな罪に対して罰金刑を適用し、その莫大な罰金を分割払いさせたのです。つまり、罰金を払っているときはまだ罪を清算していないことになります。この時に再度罪があれば、さらに罰金が上乗せされます。次第に、ヘンリー七世の側近が大富豪など貴族以外にも同じように罰金刑を適用するために罪を捏造したりし始めました。この官僚たちは、自分の懐を潤すためにやったわけではありません。このため、国庫には莫大な資金が集まり、イギリス(とういよりイギリス王室)の国威を高める結果になります。ヘンリー七世の死後、これらの官僚は罰を受けます。まあ、国のためとか言って、よく考えもせずに従っている官僚は、こうなるということでしょうか。アイヒマンを思い出します。

 その次の代の『ヘンリー八世』は、性格陽気なため「春の王」といわれました。でも、この人は、妻の侍女に手を出すことで有名で、まあメイドスキーの走りでしょうか。

 以上を持ってシェイクスピアの史劇を網羅しましたが、薔薇戦争関係の書籍では、薔薇戦争』(陶山昇平、イースト・プレスがよくまとまっていてわかりやすいです。

 薔薇戦争のゲームとしては、戦略級ではアバロンヒル『キング・メーカー』(持っていません)、デシジョンゲームズの『リチャード三世』(積み木ゲームでブロックゲームをPCゲーム化しているAvalon Digitalにもあります。未所持)、ゲームジャーナル薔薇戦争があります。が、これらは軍事自体を表現したゲームです。私としては、政治的な要素も加わった『Crown of Roses』(GMT)が最もお薦めです。ただし、入札システムがあるのでソロプレイには向きません。戦略級の宿命か、史実通りの展開にはならないのが欠点とは言えます。

 戦術級では前出の『Blood & Roses』(GMT)のほか、カードゲームの『Sun of York』(GMT)があります。また薔薇戦争とは名ばかりのアブストラクトゲームもあります(家のどこかにはあるはず)。私のお気に入りは『Blood & Roses』です。

 

 長くなってしまいました。

 シェイクスピア劇場の『リチャード三世』の最後の場面は、ボスワースの戦いの戦死者の山の上で、リチャード三世の死体を抱えながら高笑いしているマーガレット王妃かエリザベス王妃のシーンでしたが、うろ覚えなので再視聴したいと思っていました。調べたら、『シェイクスピア劇場』のDVDは80万円とか(全集で)。さすがに手が出ない。ちなみに英語版だと1/10ぐらいの値段らしいですが、リージョンコードが違う上に英語だけですので、英語力がない私は手が出ない。まあ、そんなシーンがあったんだろうなという程度の記憶でいることにします。

ASL SK2のシナリオ12をやりました その2

 砲の配置が難しい。強力な火力があるのですが、死角も大きいです。色々といじってみたのですが、今一よくわかりません。まあ、ドイツ軍にだいぶ損害を与えたし、もういいかと思ってしまいました。

 ふと、以前教えていただいた英語のサイト(シナリオ10の時)に何かヒントがないかと気が付きました。ありました。一応、備忘録としてサイトを書いておきます。

 

https://merricb.com/2014/02/27/advanced-squad-leader-report-s12-over-open-sights/

 

 よくわからない部分もありますが、以下のような初期配置でした。

 記事の著者はドイツ軍を担当しており、左の2個半個分隊の配置以外はよい配置であると記しています。攻め手がフラストレーションがたまると。

 そこで、LOSをチェックしてみます。

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Merricさんの初期配置(LOSの状況)

 かなり良くLOSを重ねているようです。ただ、左の砲はちょっと狭いかもしれません。初期配置制限が3~10行なのでこれより北(マップの上)には下げられません。あ、K3はOKか。いずれにしても、X列の林の東側を通られたらLOSは届きませんし。

 右と中央の砲はこのままとして、左の砲を少し変えてみるとどうでしょうか。少し砲の配置の糸口が見えたようです。

 後は、他の分隊の配置ですね。あまりにも貧弱なので、どうしたものか。

 

 最終的に下図のようにしました。2-3-6は射撃グループを作ります。最も射程3なのでドイツ軍にアウトレンジされますが。そのために、少しでも進撃が遅れてくれれば。左の砲は少し右に寄せました。多少死角が減ったと思います。

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修正した初期配置

 第2ターンのドイツ軍準備射撃フェイズ開始時です。アメリカ軍にとって状況はよくありません。東側ではLOSの隙をついてドイツ軍の7個分隊相当が近づいてきています。一方、西側では3個分隊迫撃砲が迫ってきています。南にはあまり部隊を回していませんね。それでも8-0指揮官の下には3個分隊(うち1個は混乱中)とMMGがあります。アメリカ軍の西の砲はCAを変えましたので、ここが死角になっています。P7で守っている分隊は混乱しています。

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第2ターン ドイツ軍 準備射撃フェイズ開始時

 第3ターンのドイツ軍の準備射撃フェイズ開始時です。横腹の防御は4-10MMGに任せて、砲はCAを変えています。ドイツ軍は砲のLOSに入らないように、ちょこちょこ出たり入ったりしています。

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第3ターン ドイツ軍 準備射撃フェイズ開始時

 第4ターンのドイツ軍開始時です。死屍累々です。このターンにアメリカ軍の増援が来ますので、何とか持ちこたえたいものです。でも、西と中央の砲には操作班がいません。混乱して潰走してしまいました。一方、東から迫ったドイツ軍は分隊がほとんど混乱していて、わずか半個分隊と7-0指揮官だけが残っています。どちらが勝つかわからない状況です。

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第4ターン ドイツ軍開始時

 第4ターンのアメリカ軍準備射撃フェイズ開始時です。惨憺たる有様ですが、このターンに増援が来ます。残りの中央の砲にたどり着けば何とかなるかもしれなくもなくもないかもですね。

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第4ターン アメリカ軍 準備射撃フェイズ開始時

 ここでふと思ったのです。砲の破壊ってどうやるの?というのは、東の砲を占拠した7-0指揮官以下の分隊が隣の8-1指揮官配下のアメリカ軍の準備射撃で全部DMしてしまったからです。このままですと潰走フェイズに逃げ出します。すると砲は破壊されずそのまんま?で、奪回?ルールブックには書かれていないような気がします。自分が壊す分には書かれているのですが、単に破壊するのは書かれていない。

 そんな時は本体のルールブックC章の確認。やっぱわかりません。車両の捕獲は白兵戦フェイズでできると書いてありますが、その後奪還もされるようです。

 松本零士戦場マンガシリーズでは、砲を使えなくするために弱装弾で砲の途中で弾を止めていましたので、まあ物理的に使えなくするのにそんなに時間はかからないのでしょう。尾栓を抜けばいいという話も聞いたことがありますし。

 

 結局、第5ターンのドイツ軍ターンで、中央の砲は占領されてしまいました。それでもかなり粘ったと思います。失敗したのは回復した操作班を砲に戻さなかったことです。もっとも、臨機射撃を受けていたかもしれませんが。

 

 今回、砲の威力をまざまざと見せつけられましたが、MTRはあまり役に立ちませんでしたね。そもそも火力が2とか4とか低い上、命中判定があるので実質効果が半減しています。また、アメリカ軍のMTRは懐に入られて全然使えませんでした。一方、LMGがいい仕事をしました。アメリカ軍のP8のMMGはかなり強力で、もう少し粘れれば西や中央の砲を取りに来るドイツ軍の脅威になったでしょう。

 

 沼に嵌りつつある気がしますが、でもまだ大丈夫。足首までしか浸かっていない。いつでも抜けられる。

 

 追記

 こんな配置も検討していました。できるだけ砲の死角をなくす。6門あれば完璧なのに。

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検討してみた初期配置の例